2022年の9月に私のもとへ現れた、デグーのテグくん→こちら参照がまたやってきた。
土曜の夕「急に元気がなく、食欲もなく、目やにが出て動かずにじっとしている」という連絡をもらった。
日曜の朝、連れてきてもらった。
いつも活発なテグがじっと動かない。
見てみると右半分の顔が腫れて、目から膿が出ていた(最初の写真)
リリ小屋で一晩預かることにした。
かなりな状態なので、手っ取り早く元気にするには、リリより、獣医さんの処置がいいだろうと思い、飼い主さんに提案して選んでもらった。私のリリは、苦しみからの解放が目的なので、生死にこだわらない。
翌日の月曜、私が動物病院に連れていくことになり、彼はリリ小屋で一泊していった。
翌朝、お腹の上で静かにリリをしていたら(2番目の写真)膿の匂いがすごい。
するとかなり顔の腫れがひいていた(3番目の写真)膿が結構出たのだろう。
獣医さんによると、げっ歯目によくある、歯の根元にばい菌が入り、膿んでしまう現象だった様子。
針を刺して膿を出したいが、それをするには麻酔が必要となり、この衰弱した状態で麻酔を打つのは命が危険なので、点滴を打つだけになった。また明日来てください。とのこと。
(薄情な私はこの時、麻酔で死ねるならぜひ打って欲しい!と思った)
病院から戻り、少し動くようになった。嫌がる力がほんの少し出てきていた。
水で溶く粉末のえさを処方されたので、それをどうにかこうにか与えた。
テグは元気になるかもしれない。
その夜は、私がリリ小屋で共に寝た。
かさかさ動く。う~ん、これは動くになったのか?それとも?
なんだか変だ。見てみるとケージの端に頭を突っこみもがいている。これは怪しい。
寝床に戻し、手で包んだ。とたんに全身から大きく苦しそうな息を5回くらい吐いて…止まった。
23時25分頃、テグは私の手の中で昇天したのであった。
2日間苦しそうだった。こんなに小さな動物も、こんなに苦しむんだ。と思った。
私の感覚では、手の中のテグはもうテグではなく、全く違う物体になっていて、愛らしさはほとんど感じられなかった。
抜け殻になってしまった。と思った。
動かなくなった肉体は人形やぬいぐるみとは違う。
人形が勝手に動いていたら不気味に感じる。肉体はその逆だ。
一体何なんだろう?
肉体を動かす動力って一体何なんだろう?
生命力とか、精気とか、魂とかと呼ばれるようなものは何なんだろうな?
明確な答えはまだ私の中から出てこない。
げっ歯目は歯が伸びる。そのせいで不都合なことが色々起こる。
それって大変な世界だなあ。と思う。
人間は、髪は伸びるが歯は伸びない。歯が伸びる方が難儀な気がする。
もし人間の歯も伸びるとしたら……歯の削りグッズが欠かせなくなる。おしゃれなやつとか、電動で静音設計とか。ピンキリなんだわ。
いつもみんな削ったりかじったりしているわけだ。
携帯削りカス入れが必要になりそうだ。
テグをテグたらしめていたエネルギーのようなものは、肉体の苦しみから解放されて自由になったのかな。
なっているといいな。
飼い主さんの代わりに私が看取る形になってしまったのが少し心苦しいが、最期に手の中だったから、良かった。げっ歯目体験お疲れさま~。